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AI導入コンサルティングは中小企業に必要か。判断基準と選び方

細川透 (PHAI 代表) ・ 2026-07-14

AI導入コンサルティングが要るかどうかは、「業務を分解してAIに渡せる人」が社内にいるかで決まります。いるなら、独学と社内展開で進む方が安い。いないなら、ツールを増やす前に伴走者を入れる方が、遠回りに見えて出費は小さく済みます。

「ChatGPTは触った。でも業務は変わらない」

経営者からのAI相談は、だいたい同じ形をしています。ChatGPTのアカウントは作った。何度か触って、文章を作らせてみた。でも1ヶ月後、業務は何も変わっていない。社員に「使ってみて」と言ったが、誰も使っていない。

SNS運用とAI活用で30社以上を支援してきて、相談のほとんどはこの状態から始まっています。原因はツールの性能ではありません。AIが会社の文脈を知らないまま単発で使われ、業務の手順に組み込まれていないことです。ここを直す作業には、ツールの知識よりも「業務を分解する技術」が要ります。そして多くの会社には、その技術を持つ人がいません。

AI導入コンサルティングという仕事は、この「業務を分解してAIに渡す」部分を代行し、最終的には社内でできるように移植することです。

要るかどうかの判断基準

まず、社内に業務を分解できる人がいるか。日報作成を例にすると、「日報を書く」を「数字を集める」「所感をまとめる」「フォーマットに流し込む」に割り、どこをAIに渡せるか判断できる人です。エンジニアである必要はありません。この人がいるなら、コンサルなしで進められます。

次に、経営者自身が使う気があるか。支援してきた会社で、社員だけにAIを使わせて定着した例を私は見ていません。経営者が触らない会社では社員も止まり、経営者が毎週使っている会社は研修の吸収も速い。ここが「いいえ」なら、コンサル以前に導入自体を見送った方がいいです。

最後に、試行錯誤に使える時間があるか。AI活用は1回で当たりません。プロンプトを直し、手順を変え、2〜3回作り直してようやく業務に乗ります。これを自社だけでやると数ヶ月かかることがあり、外部の伴走はこの期間を縮めるためのものです。時間を買う価値があるかで判断してください。

コンサルティングで実際にやること

会社によって中身は変わりますが、私の場合は次の順で進めます。

最初の1ヶ月は、AIが会社を覚える土台づくりです。事業の情報、過去の判断、顧客の状況をAIが常に参照できる状態を作ります。この土台がないと、AIへ依頼するたびに会社の説明をゼロから打ち込むことになり、答えは浅いままです。私はこれを記憶基盤と呼んでいて、支援の設計の中心に置いています。

その後は、実課題への実装を繰り返します。集客導線の分析、日報やレポートの自動化、SNS運用の半自動化。座学ではなく、セッション時間の8割は実際に手を動かす時間に充てます。終わるたびに、動く成果物が手元に残る形です。

研修が必要な場合は教材から作ります。飲食FC本部の案件では、現場スタッフ向けに31講・総尺30時間超の研修動画と実技ワークブックを制作しました。ITリテラシーの底上げから、シフト・在庫・PL分析への実務適用までを一気通貫で扱っています。

私自身は、個人事業を1人とAIエージェント群で運営して年商2,400万円という規模です。教科書の知識ではなく、自分の事業で毎日回している運用手法をそのまま渡しています。

費用の考え方

料金は「顧問型 (月額で伴走)」「プロジェクト型 (成果物単位)」「研修型 (教材・講座単位)」の3系統に分かれます。金額は支援範囲で大きく変わるため、相場の数字を先に見るより、どの系統をどの範囲で頼むかを先に決める方が、見積もりの比較がしやすくなります。範囲が曖昧なまま金額だけ聞くと、安く見えた契約に後から追加費用が乗る、という形になりがちです。

私のところでは、無料相談で課題を伺ったうえで、範囲・期間・金額を明示した提案書を出す形をとっています。提案後の押し売りはしません。

依頼先を見極める質問

AI導入コンサルは資格のいらない仕事なので、質の幅が広い。契約前に、次を聞いてください。

よくあるつまずき

支援の現場で繰り返し見てきたのは、この2つです。

1つ目は、ツールの契約が先行するケース。「とりあえず法人プランを契約した」状態で相談に来る会社は多いですが、業務のどこに入れるかが決まっていないツールは、翌月から誰も開かなくなります。契約は、入れる場所が決まってからで間に合います。

2つ目は、単発研修で終わるケース。セミナーを受けた直後は動きますが、翌週には元のやり方に戻ります。研修は「受けた後、誰がどの業務で使うか」まで設計して初めて機能します。

自社の場合はどうか。判断する材料が足りなければ、30分の無料相談で業務を伺い、AIで効く領域と効かない領域を率直にお伝えします。その場で売り込みはしません。合わなければ、判断材料だけ持ち帰ってください。

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